【歯石が原因の口臭】

 口臭を気にしている人なら、歯磨きを丁寧に行っているだろうと思われます。でも、どれだけ歯磨きをしても口臭が良くならず、困っている人もいるのではないでしょうか。

 

 歯と歯の間や歯の裏などの、歯ブラシが届きにくい所に、白っぽい塊がくっついていませんか? もしかすると、なかなか治らない口臭の原因は「歯石」かもしれません。

 

 歯石とは一体どんなものなのか、除去するにはどうしたらいいのか、解説していこうと思います。

 

  1. 歯石とは

 歯石とは、細菌の塊である歯垢(プラーク)が、石のように固まったもののことです。

 

 歯垢には多数の細菌が含まれており、ネバネバとしています。歯にくっついた歯垢は、1日2回、丁寧に歯磨きをすれば十分に落とせます。

 

しかし、歯と歯の間や、歯の裏側などの磨きにくい場所は、磨き残しが起こりやすくなります。

 

そして、ずっと除去されずに残ってしまった歯垢は、約2日で、唾液に含まれるカルシウムやリンなどと結合して石灰化します。

 

まるで石のように固くなってしまうため、歯石と呼ばれるのです。

 

2.歯石が口臭の原因になる理由

 歯石そのものが強い臭いを持っているわけではありません。

 

 歯石の表面はザラザラとしていて、顕微鏡で見てみると、軽石のようになっているのが分かります。

 

ザラザラしていて小さな穴が沢山あいているので、歯垢が非常にくっつきやすい状態になっています。

 

歯垢には大量の細菌が住んでいて、それらが悪臭を持つガスを発生させます。そのため、歯石が多ければ多いほど、口臭がひどくなります。歯石は、細菌の温床ともいえるのです。

 

 また、歯石は、歯周病を引き起こします。歯周病になると、歯と歯茎の隙間に大きな隙間(歯周ポケット)ができて、そこに細菌が大量に住みついてしまいます。

 

歯周病は痛みがないため、自覚症状のない人がほとんどです。

 

歯石を放置しておくと、知らないうちに歯周病になってしまっている可能性もあるのです。

 

歯周病も、細菌がガスを発生させるので、口臭の原因になります。

 

3.歯石が原因の口臭のにおい

 歯石が原因で起こっている口臭は、腐ったタマゴやタマネギのような臭いがします。

 歯垢には、歯周病を引き起こす細菌も含まれているのですが、その細菌は硫化水素やメチルメルカプタンというガスを発生させます。そのため、非常に強い臭いを発することになります。

 

  1. 歯石の除去方法

 歯垢は、自宅でのセルフケアが可能です。ところが、石のように固くなってしまった歯石は、歯ブラシで歯磨きをしただけでは除去することはできません。

 

 歯石を除去するには、歯科で専用の機械を使い、除去してもらう必要があります。

 

超音波を使った器具などであれば、麻酔を使わずに簡単に除去することができます。

 

 歯周病の症状が進んでいる場合は、歯周ポケットの中の史跡も取る必要があります。この場合は、出血を伴うことがあるので、麻酔を使って除去します。

 

 歯や歯茎の状態が悪いと、その方法でも除去しきれないことがあります。その場合は歯茎の切開手術をすることもあります。

 

5.歯石の付着を防ぐ方法

5-1.歯磨きを丁寧にする

 歯垢が歯石になってしまってからでは、手遅れです。そうなる前に、歯垢を丁寧に除去しましょう。

 

 短時間、適当な歯磨きをするだけでは、絶対に磨き残しが出てきます。鏡を見ながら、丁寧に歯磨きをしましょう。

 

5-2.デンタルフロスを使う

 歯と歯の間は、歯ブラシだけでは綺麗になりません。歯ブラシの毛は太いので、狭い隙間には入っていかないためです。

 

歯と歯の間はとても歯垢がたまりやすいので、歯石になりやすいのです。

 

 歯磨きをする際には、必ずデンタルフロスを使うようにしましょう。

 

 5-3.歯ブラシを定期的に交換する

 毛先が広がった歯ブラシを使っていると、歯磨きがうまくできません。

 

必ず1ヶ月に1回は交換するようにしましょう。

 

5-4.フラットな形の歯ブラシを使う

 歯垢は歯の表面にも沢山付着しています。歯垢を落とすためには、毛先がフラットな歯ブラシで、擦るように磨く必要があります。

 

 毛先がジグザグにカットされた歯ブラシが売られていますが、歯の表面を磨く時には適切とはいえません。

 

5-5.小さな歯ブラシで奥歯を磨く

 奥歯用の、とても小さな歯ブラシが市販されています。ヘッドサイズはわずか数ミリほどで、通常の歯ブラシでは磨けないような細かい所まで磨くことができます。

 

5-6.歯の表面を修復する歯磨き粉を使う

研磨剤が粗かったり、多かったりする歯磨き粉で磨いてしまうと、歯の表面に傷がつき、そこに歯垢が付きやすくなります。

 

 研磨剤が多い歯磨き粉は、歯を綺麗にしてくれそうですが、歯を傷つけやすいという側面も持っているのです。

 


できれば、エナメル質を強化するタイプの歯磨き粉に切り替えましょう。

 

"濃縮フッ素入り歯磨き粉やジェルがとても効果的です。

 5-7.歯並びをよくする

 歯並びが悪いと、歯と歯の間の間隔が狭すぎたりして、デンタルフロスでの歯垢除去がうまくいかないことがあります。

 

そうなると、自宅でセルフケアを心掛けていても、歯垢がつきやすくなってしまいます。

 

 実際に歯のケアをしていて、歯並びが気になるようであれば、矯正してみるのも一つの方法かもしれません。

 

5-8.歯磨きをしないまま眠らない

  お酒を飲みすぎて帰宅したりすると、歯磨きをしないまま眠ってしまうことがあると思います。

 

睡眠時は口内の細菌が最も増えやすい時間帯なので、歯垢が歯に一番こびりつきやすいタイミングでもあります。

 

細菌の増殖そのものが酷い口臭の原因にもなりますので、就寝前には必ず歯を磨くようにしましょう。

 

  1. 歯石を防ぐためには、日常的に歯のケアを

 歯垢がいったん歯石になってしまうと、除去がとても難しいことがわかりましたね。

 

そうなる前に、日常的に歯のケアに気を遣い、歯垢を除去するようにしましょう。 

 歯磨きは誰もが毎日行っていることですが、大事なのは回数ではなく、その質です。デンタルフロスや、奥歯用の歯ブラシなど、様々な道具を用いて徹底的に綺麗にすることが大事です。

 

 また、生活習慣を見直す必要がある方もいるでしょう。よく酔いつぶれたまま眠ってしまう……という方は、歯石ができる可能性が大変高いので、飲酒を控えるなどし、歯の健康を第一に考えるようにしましょう。

 

 歯が健康になれば、歯石ができにくくなり、口臭は改善されるはずです。

 

"歯石が原因の口臭は、臭いがきつく、周囲の人を不快にさせやすいので、是非この機会に自分の歯磨き方法などを見直してみてください。

失敗しない【口臭予防の方法】

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